話題のNISAで貯金を始めましょう
あなたはお金をどうやって貯めていますか?
金融広報中央委員会によると、将来の生活への備えとなる、預貯金や株・投資信託・保険といった金融資産を全く保有していない世帯、いわゆる「金融資産ゼロ世帯(二人以上世帯)」が日本では年々急増しており、4世帯のうち1世帯という割合(平成24年)を占めているそうです。
日々の生活に、潤いに、将来のために、お金は必要なもの。これは衆目の一致するところでしょう。
そして、結婚や子育て、マイホームの購入やレジャー、老後のために、と人生の中でまとまったお金が必要になるタイミングが存在することも多くの人が賛同するところでしょう。
その意味で「金融資産ゼロ世帯」の状況は危険だといえます。
必要なときに必要なお金を工面できるよう、長期的な視点で貯蓄を行うことが大切ですね。
あなたは自分の得たお金をどうやって管理・貯蓄していますか?
銀行?はたまたタンス預金?
おそらく、銀行(ゆうちょも含む)という人が多いのではないでしょうか。
それでは、あなたはなぜ「その銀行」にお金を預けているのでしょう?
考えたこともなかった、という人がほとんどかもしれませんね。
仕事の関係で指定されてとか、
家族が同じ所を使っていたから何となく、などの理由で口座を開いている人も多いでしょう。
一昔前であれば金利のより良いところで、という理由もありましたね
(現在では低金利でほとんど意味がありませんが・・・)
もちろん銀行には銀行のメリットもあります。
例えば送金機能。これほど手軽に、安全に遠隔地間で送金できるシステムは銀行以外にはほとんどありません。
でも、一般のひとにとってはそのくらいではないでしょうか。
つまり、貯蓄の観点から言って特に意味はないけれど、何となくお金は銀行に預金しているだけ。
しかし、その資産運用の仕方は本当に合っているのでしょうか?
自分で責任をもってお金を管理するということ
ひとつのポイントは、「自分で責任をもってお金を管理する」ということです。
銀行に預金していても、その銀行が倒れないという保証はありません。
タンス預金していても、泥棒に盗まれてしまうかもしれません。
そもそもインフレになって、自分が稼いだお金の価値がなくなってしまうかもしれません。
「そんなこといったら安全な方法なんてないじゃない!」
そう!その通りです。何事にもリスクは存在するということです。
また、それは極論だよ・・・と思う人がいるかも知れません。
確かに現在の日本の経済状況だと上記のような状況は考えにくいかもしれませんが、実際にここ十数年だけでもいくつもの銀行が倒れました。泥棒はいつの時代も存在しますね。
インフレでもドイツのハイパーインフレは1920年代、つまりここ100年以内の出来事です、100年以内といえばまだご存命の人もいるでしょう。
つまり、あなたが一生の間にこれらのことを経験しないという保証は全くないのです。
でも怖がる必要はありません。なぜなら意味が無いからです。
一番危険なのは、これらのリスクを直視せずに「何となく」「皆がやっているから」など根拠のない状態で漫然とお金を管理している状態です。それではいざというときに自分のお金がパーになってもその理由が分からず、泣き寝入りするだけになってしまいます。
リスクの存在を認めることで、お金の管理方法を冷静に見つめることができるようになり、「じゃあどうすればより良いのか」、自分の頭で考えることができるようになります。
自分の責任でお金を管理していることがわかるので、不必要な恐怖やもやもや感もなくなります。
「リスクを認めて自分で責任をもってお金を管理する」これだけであなたはもう資産運用のエキスパートですね。
そして、その「自分で責任をもってお金を管理する」一手段として政府が提示している方法がNISA(ニーサ、日本版ISA、少額投資非課税制度とも)なのです。
お金を「積極的」に『貯金』する
あなたの資産運用を考えるもう一つのポイントは「計画的に、積極的に運用する」ということです。
いまや銀行に預金していても、金利はほとんどつきませんよね。金利目的に日本の銀行に預け入れている人は少ないでしょう。
もし、安定して自分のお金を増やせる方法がほかにあれば、当然そちらに興味が湧くのではないでしょうか?
今回、日本政府が提示しているNISA(ニーサ、日本版ISA、少額投資非課税制度)がまさにそれに当たります。
NISAとは、いわゆる「投資」によって自分の資産を増やしていく方法の一つで、毎年100万円までの投資額であれば、そこから得た利益が非課税になることが国から保障されている、というものです。
例えば、2014年に自分の持っているお金の中から100万円をA社の株式を購入することで投資したとしましょう。5年後の2015年にA社株が150万円に値上がりするとあなたの資産は150万円となり、50万円の値上がり益を得ます(5年で50万円の利益を得ること自体預金では考えられませんが、投資であれば現実的な数字です)。
通常その50万円には税金が差し引かれてしまう(しかも20%)のですが、NISAを使えばそれがなく、50万円まるまるを自分のものにすることができます。
欧米ではすでに自分のお金の一部を投資に回す流れが定着していて、預金はだいたい3分の1程度です。
下の円グラフのオレンジの数字部分になりますね。NISAの元になったISAが国民に受け入れられているイギリスも預金は約3割。対して日本は預金が半分を超えており、まだまだ遅れているといえます。
NISAを使えば、投資によって預金をはるかに上回る利益を100%享受できるのです。
「でも、投資って危なくないの?損するんじゃないの?」
確かに、投資は投資ですから、値下がりするなどのリスクはあります。
それを回避するキーワードが「長期的な運用」と「分散投資」です。
安定した資産運用のための「長期的視点」と「分散投資」
・長期的視点
投資と一口に言ってもさまざまなものがあります。なかにはデイトレやFXといった、一日単位で売り買いを繰り返すことで元本の何十倍もの利益を得ようとする方法もあります。このような方法は逆に何十倍も損をすることがあります。
でもそのような投資方法はNISAでは想定されてないといえるでしょう。
なぜならNISAで使える「毎年100万円までの投資額」は、再投資できないからです。
(定期預金で、満期前に一度引き出したらそれ以降は定期の金利がつかない、というのと似ていますね。)
つまり、少なくとも1年以上寝かせておくことを想定しているのです。1年後、5年後、10年後、と将来的に必要な金額を計算して貯蓄しておく考え方ととても相性がいいといえます。
このことは投資で思わぬ損をすることの防止にもつながります。投資で危険なのは、一時的に自分の保有する株等が値下がりしたことに焦って売却してしまうことだからです。
一時的に値下がりした株は回復する可能性も十分あり、その時々の値動きに振り回されることはとても危険です。
むしろ、「〇〇年までにいくら欲しい、そのためにこれだけのペースで貯蓄していこう」とライフプランから現実的な計画を立て、「そのためにこれだけの額を投資に回そう、元々ほとんど利益のない預金から投資に回すのだから最低限、元本割れしなければOK!」と、どんと構えるくらいがいいですね。
イギリスのISA、日本のNISA両方とも、政府の方針としても「個人の長期的な資産形成」を打ち出しており、より安全にお金を貯めていくサポートをしてくれているといえるでしょう。
・分散投資
イギリスには「卵を一つのかごに盛るな」ということわざがあります。
一つのかごに全部の卵を入れてしまうと、万一落とした時に全部の卵が割れてしまうかもしれないからです。
このことわざは投資でもよく使います。全てのお金を一つの金融商品(例えばA社株)につぎ込んでしまうと、万一値下がりした時に自分のお金が全部パーになるかもしれません。
そうならないために、複数の商品(例えばA社株、B社株、C社株の3つ)に分散して投資するのです。
以下は定期預金・分散投資の収益を比較して分散投資が安定して収益を得られることを示した金融庁の試算です。
6分の1ずつ投資した青いグラフが突出して収益を得ていることがわかりますね。
このように十分に幅広い株や投資信託に分散して、長期的な視点で投資を行うことで、より安定的に収益を得ることができるようになります。